Vol. 40:ベンチャー企業が契約書締結時に絶対に気をつけたい2つのこと

最初に書いておきますが、契約書締結時においてベストなのは弁護士の方にチェックしていただくことです。
なぜなら、契約書はとても大きな力を持つ故に、会社を一発で機能不全に陥らせることも可能だからです。

とはいえ、全ての契約書をそうやって対応するのは時間もお金もない、というのが法務機能を有さない多くの企業にとって正直なところ。
特に小さな企業であれば経営者が目を通しているというところが実情であると考えています。
そこで、本記事では契約書を経営者が確認する際に絶対に注意しておくべき2点について書いていきます。

1. 賠償について

注意すべきなのは、賠償が発生する対象と条件と範囲とその算出方法です。
例えば範囲についてですが、なんらかのミスがあった際、直接その事象と関係がなくとも、例えばブランド毀損という名目で莫大な賠償金を請求される可能性があります。
なので、賠償範囲についてはそのミスによって直接発生したものに限り、また、その算出方法についても相手方に一任することなく、合理的な、可能であれば双方の協議や第三者によって計算されるべきです。

2. 契約の破棄について

契約がなんらかの枷となってしまった場合、もしくは、理不尽な条項が含まれていると気づいた場合にはその契約の破棄を検討することがあると思います。
しかし、例えば契約破棄は相手方しか行えないという条項がさらっと含まれている場合もあります。
そのため、双方から契約の破棄ができるという条項を盛り込み、また、ビジネスモデルや主体がどちらかによるのですが○ヶ月前の通知で破棄できるという条項も各社の状況に合わせて盛り込むべきです。

他の条項について

書面での連絡がマスト、という条項も多く含まれますが、こちらは内容によっては電子メールでのやり取りでも可、という形にすれば業務の妨げになる可能性が下がります。
あとは、契約内容に関する業務を例えば別会社に投げる、もしくは他社サービスを活用して行う可能性がある場合、そういったことが可能なのかもチェックしておくべきです。
あと、「努力する」とか「最善を尽くしていない」みたいな主観的な表現も、それがなんらかの大きな行動に反映される可能性がある場合は削る、もしくは定量的なものに変更した方がいいです。

まとめ

繰り返しになりますが、最も良いのは弁護士の方にしっかり確認していただくことです。
ただ、それが難しいのが実際だと思うので、例えば1度弁護士の方に見ていただく。
そしてそこでチェック項目を理解してそれからは類する契約は自分でやる、みたいなのも良い手段だと考えています。

あと、上ではこの2つに気をつけろと書いていますが、当然他条項もチェックした方がよいです。
ただ、そこに多くの時間をかけられないのが実情だと思うので、ぜひこちらを頭に浮かべながら確認してみてください。

さらに加えて、契約書類ってのはこちらの言うことが全て通るってことはあんまりなくて、先方との妥協点の探り合いになる可能性が高いです。
その際には、どの点は譲れて、どの点は譲れないのかを明確にした上で交渉に望まないとただただ時間を費やすだけになってしまうので、しっかりとした基準を持って交渉にあたりましょー!

投稿者: 原口 悠哉

2012年に会社を設立。日本最大級の訪日旅行者向けWebサイト「Japan Info 」を運営。2016年にバイアウトを行いフジ・メディア・ホールディングスグループに参画。現在も引き続き経営を行う。 Facebook:https://www.facebook.com/haraguchi.yuuya

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